
大阪は今アパート経営する上で注目のエリアの一つです。
東京に次ぐ都市として知られている大阪ですが、不動産としての価値の値上がりも期待されています。
期待されてはいるものの、大阪だからといってどんなアパート経営でも成功するわけではありません。
アパート経営をするときはそのエリアの人口推移や地価から想像できる家賃相場など、把握しておくべき情報がいくつかあります。
本記事では大阪でアパート経営をする場合、知っておきたい基本情報や大阪市でアパート経営を行うメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
大阪市の地区別の家賃相場も説明するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
大阪のアパート経営
大阪でアパート経営をするとなると、押さえておくべき項目として「大阪の基本情報」「大阪の家賃相場」「大阪市でアパート経営を行うメリット・デメリット」が挙げられます。
一つずつ見ていきましょう。
大阪のアパート経営に関する基本情報

大阪のアパート経営に関する基本情報には「人口推移」「地価の推移」などがあります。
大阪市の人口推移
大阪市の人口は、近年おおむね緩やかな増加傾向にあります。
令和6年10月1日時点での推計人口は 2,791,907人 で、前年同期比では 21,387人(約0.77%)の増加 となりました。
アパート経営する上で、対象エリアの人口推移は、その町の未来を映し出し経営に直結してくるものですから、よく把握し注目しておくべき項目といえるでしょう。
参考:大阪市公式HP
大阪市の地価の推移
大阪市の地価の推移も合わせてチェックしておくことが大切です。
地価の推移とは、年ごとによってかかる土地の価格のことを指します。 
土地の価値は年々変動していくものですから、その変動率や下落率などもよく確認しておきましょう。
大阪市の地価(公示地価・基準地価)も、近年は上昇傾向にあります。ただし、用途(住宅地・商業地・工業地)や地域(都心部 vs 郊外)によって変動幅にはかなりの差があります。
令和6年(2024年)における大阪市の地価公示では、全用途平均で 6.2%上昇 という高い変動率を記録しています。
同じ都会といわれる東京や名古屋に比べると変動幅が少ないというのも特徴的です。
地価を知っておけば大阪でどのようなアパート経営をすべきか見えてくるので、要チェックです。
大阪の家賃相場
大阪の家賃相場は下記です。
大阪の中でも家賃相場の高いエリアは「中央区」「西区」「北区」が挙げられています。
また今回ご紹介している大阪の家賃相場は、あくまで大阪市に限定したもので、なおかつワンルーム・1K・1DKのものです。
エリア名  | 家賃相場  | 
大阪市都島区  | 6.11万円  | 
大阪市福島区  | 6.44万円  | 
大阪市此花区  | 5.78万円  | 
大阪市西区  | 6.61万円  | 
大阪市港区  | 5.73万円  | 
大阪市大正区  | 5.87万円  | 
大阪市天王寺区  | 6.16万円  | 
大阪市浪速区  | 6.44万円  | 
大阪市西淀川区  | 6.04万円  | 
大阪市東淀川区  | 5.18万円  | 
大阪市東成区  | 5.72万円  | 
大阪市生野区  | 5.27万円  | 
大阪市旭区  | 5.27万円  | 
大阪市城東区  | 6万円  | 
大阪市阿倍野区  | 5.79万円  | 
大阪市住吉区  | 5.09万円  | 
大阪市東住吉区  | 5.53万円  | 
大阪市西成区  | 5.34万円  | 
大阪市淀川区  | 6.14万円  | 
大阪市鶴見区  | 5.41万円  | 
大阪市住之江区  | 5.47万円  | 
大阪市平野区  | 4.96万円  | 
大阪市北区  | 6.86万円  | 
大阪市中央区  | 7.06万円  | 
東京都との家賃の違い
大阪の家賃は、東京都と比較すると、同じ条件でも安く設定されているのが特徴です。
東京では手が届きにくい広さや設備の物件でも、大阪なら比較的手ごろな費用で見つけることができます。
東京都は、全国的に見ても家賃相場が高い地域です。たとえワンルームであったとしても港区や千代田区、中央区などのエリアは家賃相場が高額で、大阪市中央区の倍以上の家賃設定のアパートも数多くあります。
23区から少し離れれば、費用を抑えてアパートを見つけることも可能ですが、東京都は地域によって家賃相場の違いが大きく現れるエリアです。
一方、大阪は関西地方で特に栄えている都市であるため、家賃が極端に安いわけではありませんが、東京ほど高くはありません。
特に大阪市外では比較的家賃設定の安いアパートを探すこともできます。
東京都と比較して、投資家にとっては初期投資額を抑えやすいため、利回りを重視した戦略を立てやすいのが強みです。
京都府との家賃の違い
京都府と比較した場合、大阪の家賃はやや水準が高めになります。
ただし、それほど大きな違いがあるわけではなく、若干大阪のほうが高い程度です。
大阪は京都と比較してエリアによる家賃の幅が広いのが特徴です。
京都は観光地として非常に魅力的で、古くから学生の街ともいわれるほど学生需要の高いエリアとしても知られています。
そのため、学生向けや観光客向けの短期賃貸物件が多く見られるのが特徴です。
一方、大阪はビジネス拠点として長期居住者が多いため、入居需要や家賃水準は大阪の方が高いといえます。
兵庫県との家賃の違い
大阪と兵庫県を比較してみると、ワンルーム・1K・1DKについては、それほど家賃相場に大きな差は見られません。
一方、1LDK、2LDK、3LDKのようにアパートが大きくなるほど家賃相場は大阪のほうが高額になるのが特徴です。
このことから、同じ関西圏であっても、大阪のほうが高い家賃設定を維持しやすい特徴があります。
大阪市でアパート経営を行うメリット
ここからは大阪市でアパート経営を行う際のメリットについてご紹介していきます。
メリットは大きく分けて5つです。
- メリット①高い利回りが実現できる
 - メリット②空き家リスクを軽減できる
 - メリット③借家率が高い傾向にある
 - メリット④20代の子育て世代が多く住んでいる
 - メリット⑤再開発が続いている
 
それでは詳しく見ていきましょう。
メリット①高い利回りが実現できる
大阪は東京に比べると地価が安いものの、都会として十分認知されているので高い利回りが実現できます。 
というのも賃貸需要は高く、それでいてもし格安物件などを見つけることができれば、利回りのよさは折り紙付きというわけです。
不動産投資では重要なポイントとなるため、大きなメリットいえます。 
メリット②空き家リスクを軽減できる
大阪の都心部でアパート経営するとなると、空き家・空室のリスクが低くなります。
アパートの需要を大きく左右する利便性や居住性を満たしやすい都心部は、空室率が少ない傾向にあるので、そのような点で困ることはあまりありません。
以下の記事では、アパート経営におけるおすすめの空室対策を解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
メリット③借家率が高い傾向にある
大阪市でアパート経営を行うメリットとして挙げられるのが「借家率の高さ」です。
借家率とは持ち家ではなく賃貸(借家)の人の割合のことを指します。
大阪はこの借家率が持ち家率を上回っているため、賃貸であるアパート経営をするには向いている環境といえるでしょう。
例えば2018年を例に挙げると、持ち家の数が558,800戸に比べ、借家数は751,400戸と圧倒的に多く、割合の差は10%ほど違うことになります。
もちろんすでに持ち家を持っていればアパートを借りるという環境にはなりえないため、借家率が高いエリアほどアパート経営には適しているのです。
ただし借家率が高いということはそれだけ競合が多くなることも予想されるので、対策を講じていくべきともいえます。
メリット④20代の子育て世代が多く住んでいる
少子化に伴い若い世代の人口は減ってきているものの、それでも大阪における20代は転入超過状態になっています。
20代の子育て世代が多いことは、アパート経営するうえで大きなメリットとなるのです。 
子育てがしやすい環境づくりに励んでいる大阪は、子育て支援が充実しています。
子育て世代である20代が大阪にいるということは、結婚して子どもができても、長期間大阪に滞在してくれる可能性が高いともいえるのです。
そうするとアパート経営という観点からみても、賃貸物件の需要も長期化するといわれています。
人口の推移をよく知り、どのような世代か把握できていれば、大阪でのアパート経営は大きなメリットといえるでしょう。
メリット⑤再開発が続いている
大阪市の一部エリアでは、大規模な再開発が続いています。
例えばIRと呼ばれる統合型リゾートの誘致などの話も進められており、観光客を含め人口の増加や高い経済成長が見込めます。
そのほかにもリニア新幹線の開通の可能性もあり、あらゆる場所へのアクセスの良さが人口増加をアシストしてくれるでしょう。
これらは、アパート経営する上でのメリットといえます。
大阪市でアパート経営を行うデメリット
ここからは大阪市でアパート経営をするデメリットについて解説していきます。
デメリットは大きく分けて2つです。
- エリアによって状況が異なる
 - 利用できる金融機関が限られることがある
 
それでは詳しく見ていきましょう。
エリアによって状況が異なる
人口増減のお話をさせていただきましたが、大阪でも人口増加が見込まれるのは、あくまでも都市部だけです。
それ以外のエリアについては人口減少しており、それが大阪府の総人口の減少傾向にも現れているのです。
とくに都市部以外では少子高齢化が後押ししており、人口の推移は深刻化している側面があることを覚えておきましょう。 
利用できる金融機関が限られることがある
東京では利用できていた金融機関が、大阪だと融資活用できず、利用できる金融機関が限られてくるといったケースは珍しくありません。
そのため自己資金以上の運用がしづらくなってしまったり、東京にいる投資家とのやりとりがスムーズにいかなかったりと融資に影響が出てくる可能性もあるのです。
大阪市でアパート経営を始めるポイント
最後に大阪市でアパート経営を始める際のポイントについて紹介します。
地域の家賃の相場を調べる
大阪市の中でも、地区ごとに家賃相場を把握しておくと賃貸需要を把握しやすいでしょう。
浪速区:1K6.5万円前後
浪速区の家賃相場は、1Kで6.5万円前後です。
浪速区は繁華街で有名な街で、中心6区の中でも比較的安い家賃が特徴的。
飲食店をはじめとした店舗が多く立ち並んでおり、若者が多く集まるスポットです。
スーパーやコンビニなど住むための環境は整っているものの、にぎやかな街だからこそ、街並みの喧騒を懸念する方が多いよう。
だからこそ防音対策した物件を中心に需要がありそうです。
中央区:1K7万円前後
中央区の家賃相場は、1Kで7万円前後です。
中央区は梅田と肩を並べるほど栄えており、なおかつビジネス街もある落ち着きのあるエリア。
2つの側面を兼ね備えたエリアなので利便性が高く、住む世代を選びません。
北区:1K7万円前後
北区の家賃相場は、1Kで7万円前後と中央区と変わりません。
北区は中央区同様、繁華街である梅田とビジネス街の両方の顔を持つエリアです。
ショッピングモールや大きなエンターテインメント施設などがたくさんあり、一人暮らしの方に人気。
自転車圏内に満点駅などがあるため、利便性が高い地域です。
西区:1K7万円前後
西区の家賃相場は、1Kで7万円前後です。
西区は住宅街なのでこれまでご紹介してきたエリアとは異なり、落ち着きのあるおしゃれな雰囲気が印象的。
一人暮らしの方をはじめ、ファミリー層も多く、暮らしやすさの観点から高い人気を集めています。
阿倍野区:1K6.5万円前後
阿倍野区の家賃相場は、1K6.5万円前後です。
文教地区ならではの教育施設が多く立ち並んでおり、落ち着いた街並み。
治安の悪さとは程遠い環境で、公園なども適度にあるため、ファミリー層も多く集まっています。
天王寺区:1K7万円前後
天王寺区の家賃相場は、1K7万円前後です。
大きな駅があり、その周りには複数の商業施設が立ち並んでいるエリアで、有名な観光スポットあべのハルカスの最寄り駅があります。
再開発が進んでいる街なので、若い世代を中心に人気の場所です。
こちらの記事では適正家賃の設定方法などをご紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
転勤してきた人をターゲットにする
全国的に見ても、大阪は転勤者が多い地域です。
さまざまな大手企業が大阪に本社・支社を構えており、関西圏はもちろん、他からも多くの方が移り住んでいる地域です。
転勤してきた人は、会社から家賃補助を受けているケースが多いため、多少賃料が高い物件でも選ばれる傾向があります。
また、快適に住める物件を重視する傾向があるため、特に管理が行き届いている物件は評価が高い傾向があります。
迅速なトラブル対応を行うためには、自主管理ではなく管理会社への委託を検討することが有効です。
長期の資金計画を立てる
不動産投資を成功させるためには、初期費用だけではなく、運営に関連して発生する諸費用についても正しく理解しておくことが重要です。
そのため、ローンの返済計画や管理費なども含めた長期的な資金計画を立てることが、アパート経営の成功につながります。
法的な手続きや規制を理解する
アパート経営に関する法的手続きや規制も正しく理解しておく必要があります。
近年は民泊が注目されていますが、大阪市内では民泊関連の規制が厳格化されている点に注意が必要です。
法的な手続きや規制については「知らなかった」では済まされないため、十分に注意しましょう。
リスクを把握する
アパート投資には、さまざまなリスクが伴います。
空室リスクや修繕リスク、市場変動リスク、家賃滞納リスクなど、実にさまざまなことが挙げられます。
これらについて正しく把握し、どのような対策、予防策が取れるのかを確認しておきましょう。
トラブルが起こる前に対策を講じておくことで、大きな失敗を防げます。
最適なパートナーを選ぶ
アパート経営では、最適なパートナーを選び、サポートを受けることが重要です。
信頼できる不動産会社を選ぶことは、投資成果に大きな影響を与えます。
不動産会社を選ぶ際は以下の3つに注目しましょう。
【不動産会社選びのポイント】
- 大阪エリアでどの程度の実績があるか
 - 管理体制が整っているか
 - 目先の利益よりも将来性を重視しているか
 
上記ポイントを押さえながら、不動産会社を探してみてください。
大阪でアパート経営するなら環境の把握が大事
本記事では、大阪でアパート経営するときのポイントやメリット・デメリットについてご紹介しました。
大阪に限らずアパート経営するのであれば、その地域の人口推移や地価、エリアの特徴などについて詳しく知っておく必要があります。
またアパート経営後、そのエリアの未来についても含めて考えるべきです。
大阪でアパート経営するときは環境の把握を念入りに行いましょう!
株式会社マリモでは、長期に渡って安定したアパート経営をご提案するための、愛され続けるアパート造りを目指しております。
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この記事の監修
マリモ賃貸住宅事業本部
不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。
会社概要
        
    
    
    
    
    
    
    
    
                  
                  
                  


