アパート経営は、入居者がいれば安定した収入を得られる点が大きな魅力です。
ただし、どの地域で経営するかによって、収益性や将来性は大きく変わります。
この記事では、名古屋でのアパート経営に興味を持つ方に向けて、名古屋ならではの強みやデメリット、経営を始める前に確認しておきたいポイントを解説します。
「名古屋でアパート経営を始めたいけれど、地域の特徴がよく分からない」という方はぜひ参考にしてください。
名古屋の持つ強みを活かしながら、備えておくべきリスクや注意点も理解できるようになります。

1. 名古屋でのアパート経営は儲かるのか?

アパート経営をするにあたり、非常に重要になるのが物件を持つエリアです。
名古屋は、アパート経営をするに向いているエリアといえます。まず、人口が多いです。
名古屋市の人口の推移は以下の通りです。

令和4年1月

2,323,994人

令和3年1月

2,331,761人

令和2年1月

2,328,653人

平成31年1月

2,321,727人

平成30年1月

2,316,047人

令和4年1月の計測時点では前年よりも人口が減っていますが、それ以外の年は毎年増えていることがわかります。
人口が減り続けているようだとアパート経営を行うにあたり不安がありますが、名古屋市であればその心配は無さそうです。

また、人口が多ければその分住むところが必要になるので、賃貸市場が大きいことも期待できます。例えば、名古屋市の次に人口が多いのは豊田市です。令和4年1月時点の人口は419,048人でした。

名古屋市の5分の1にも満たない人口です。このことからも、賃貸市場を考えると愛知県でアパート経営をしたいと考えているのであれば、名古屋がおすすめです。
人口が多ければ、少ない地域と比較して儲けに繋がることが期待できます。

以下の記事では、アパート経営が儲からないと言われている理由や利益を出す方法について詳しく解説しています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。

アパート経営は儲からないのか?儲からないと言われる理由と利益を出す方法

名古屋市:毎月1日現在の世帯数と人口(全市・区別)(平成10年4月から)
豊田市:豊田市の人口 2022年1月1日現在人口 詳細データ

2. 名古屋でアパート経営をするメリット

名古屋はさまざまな魅力を持っているエリアで、アパート経営を行うにあたり、多くの強みがあります。
代表的な強みについて解説します。

2.1 メリット①リニア中央新幹線開通によってアクセスが強化されている

2027年にはリニア中央新幹線が開業予定で、これまでよりもアクセスが強化されます。
品川から名古屋までわずか40分でアクセスが可能となる計画です。
リニア中央新幹線開通に伴い注目したいのが、名古屋駅エリアの街の再開発です。

「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」を目標として掲げており、魅力と活力ある街づくりを目指しています。
新しい商業施設が開発されることもあり、これからはますます名古屋に人が集まりそうです。
今よりも人が多く集まれば、名古屋の賃貸市場はさらに大きくなっていくことが予想できます。

2.2 メリット②交通網が発達している

名古屋は道路・鉄道・空路が整備されており、市内はもちろん、市外・県外へのアクセスも良好です。
名鉄や地下鉄の路線が充実しているため、通勤・通学で困ることはほとんどありません。

現在の所要時間は「名古屋-東京:約90分」「名古屋-大阪:約50分」。
さらにリニア中央新幹線が開通すれば、所要時間は大幅に短縮されます。

今後は「家賃が比較的安い名古屋に住みながら、東京や大阪で働く」といったライフスタイルも現実的になるでしょう。

交通アクセスの良さは入居希望者にとって大きな魅力です。実際に、Z世代を対象とした調査でも、55.5%が「最寄り駅の路線/交通アクセス」を重視していると回答しています。

参照元:PRTIMES「2023年度“部屋選び”に関する調査」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000029713.html

2.3 メリット③名古屋ならではの料理や魅力的な施設が多くある

名古屋は文化の面で見ても非常に魅力的なエリアです。
例えば、みそかつや手羽先、ひつまぶし、台湾ラーメン、きしめん、名古屋コーチン、味噌煮込みうどんなど、おいしいものがたくさんあります。 

他にも、名古屋市東山動植物園や名古屋港水族館、ジブリパーク(今秋開業予定)などもあり、家族でも楽しめるエリアです。
単身者、ファミリー層の両方をターゲットにしやすいといえます。

2.4 メリット④住みやすさで評価されている

人気が高くても暮らしにくいエリアはすぐに人が離れてしまいます。
ですが、名古屋は住みやすい街として評価されています。

名古屋が住みやすいか尋ねた令和2年度第59回市政世論調査について紹介しましょう。
調査の結果「住みやすい」と答えた人と「どちらかといえば住みやすい」と答えた人を合わせると約9割でした。
生活するにあたり、非常に満足度の高いエリアだといえます。

名古屋市:名古屋の魅力・住みやすさについて(令和2年度第59回市政世論調査)

2.5 メリット⑤人口の維持が期待できる

安定した賃貸需要に深くかかわるのが人口です。

人口が減少すると、基本的には賃貸需要も減少するといえるでしょう。

名古屋市は、他の都市に比べ人口の減少を抑えられると予想されています。

名古屋市と大阪市の将来人口推計は次のとおりです。

エリア

令和7年

令和12年

令和17年

令和22年

名古屋市

233万人

232万人

230万人

228万人

大阪市

282万人

278万人

272万人

266万人

令和22年時点で、名古屋市の人口は現在の97.9%程度、大阪市の人口は現在の94.3%程度です。

長期間にわたり賃貸需要を維持できる可能性が高い点は、名古屋市のメリットと考えられます。

 

参照元:名古屋市「名古屋市将来人口推計」

https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/67-11-0-0-0-0-0-0-0-0.html

参照元:(pdf)大阪市「大阪市における人口動向及び将来推計」

https://www.city.osaka.lg.jp/templates/chonaikaigi2/cmsfiles/contents/0000650/650486/01_siryou1.pdf

メリット⑥利回りが高い可能性がある

過去に行われた調査で、名古屋の不動産は東京の不動産よりも、利回りが高いことが示されています。

エリア

利回り

名古屋

平均5~7%

東京

平均3~5%

※2023年のデータ

利回りは、不動産の採算性や収益性を評価する指標です。

この値が高い不動産は、投資に対するリターンが大きいと考えられます。

表面利回りの計算式は以下のとおりです。

表面利回り=年間収入合計/総投下資本×100

家賃収入が多かったり、不動産価格が安かったりすると利回りは高くなります。

初期費用を抑えながら高収益を目指せる点も、名古屋のメリットといえます。

 

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「10年後に差が出る投資用木造アパート」をコンセプトに、メンテナンスコストを大幅に抑えられる物件を展開しています。

収益性の高い立地を厳選し、単身者を想定したデザイン、設備、仕様で差別化を図っていることもポイントです。

3. 名古屋でアパート経営を行うデメリット

名古屋はアパート経営に向いているエリアではありますが、デメリットについても確認しておきましょう。
以下のようなデメリットがあります。

3.1 デメリット1 地価が上昇傾向にある

リニア中央新幹線開通の影響などもあってか、名古屋の地価は上昇を続けています。
名古屋が注目され、評価されている証とも言えるのですが、土地取得費用の面で考えるとデメリットだといえるでしょう。

3.2 デメリット2 河川氾濫リスクがある

名古屋市内には、さまざまな川が流れています。そのため、洪水などの災害が発生してしまうリスクがあります。
実際に過去には大きな洪水や浸水被害も起こっているので、万が一のことについても考えておかなければなりません。

過去に水害が多かった地域については、何らかの対策が取られている可能性が高いです。
あらかじめ洪水・内水ハザードマップを確認した上で物件選びを行いましょう。
もちろん、水害だけでなく、自然災害全般に備えておかなければなりません。
万が一のため、火災保険・地震保険への加入を検討しておいた方が良いです。

3.3 デメリット③条例による規制がある

自治体の中には、条例で共同住宅の建設などに制限を加えているところがあります。

名古屋市も、条例を定めている自治体のひとつです。

具体的には、共同住宅型集合建築物(2階以上で、住戸数が10以上の共同住宅)を対象に、駐車場の付置義務などを定めています。

主な内容は以下のとおりです。

 

【条例の内容】

  • 住戸数に対する自動車駐車場の割合
  • 住戸数に応じた駐輪場の数
  • 住戸の床面積ならびに天井の高さに関する規定
  • 共同住宅型集合住宅建築物の管理に関する規定
  • ゴミの保管場所の設置について
  • 敷地内の緑化について

建築主は、確認申請日の7日前までに共同住宅型集合建築物建築計画書などを提出しなければなりません。

アパートを建築する場合は、詳細を確かめておきましょう。

 

参照元:名古屋市「共同住宅型集合建築物について」

https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000101943.html

4. 名古屋でアパート経営をはじめる際のポイント

名古屋でアパート経営をはじめるにあたり、まずは家賃相場から確認しておくのがおすすめです。
相場と比較してあまりにも高い家賃を設定してしまった場合、なかなか入居者は見つかりません。
名古屋のワンルーム・1K・1DKのアパート料金相場を確認してみると、以下の通りでした。

中区

6.19万円

東区

5.59万円

熱田区

5.40万円

北区

5.33万円

中村区

5.17万円

昭和区

5.15万円

千種区

5.15万円

瑞穂区

5.06万円

緑区

5.03万円

西区

5.00万円

中川区

4.95万円

港区

4.91万円

南区

4.86万円

天白区

4.67万円

名東区

4.67万円

守山区

4.51万円

時期によって相場は変わりますが、地価なども確認しながら慎重に家賃設定する必要があります。
また、名古屋は大学の数が多く、若者がたくさんいるエリアです。
どんな形でアパート経営をしようか悩んでいるのであれば、学生向けのワンルームアパートも選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、適正家賃の設定方法について詳しく解説しています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。

アパート経営をする際の家賃設定はどれくらい?算出方法などを詳しくご紹介

LIFULL HOME’S:愛知県の家賃相場情報

5. 名古屋でアパート経営を行う際に気をつけたいこと

続いて、名古屋でアパート経営を行う際に注意したいポイントを解説します。

5.1 人口減少のリスクに注意する

地域の人口減少は、長期保有を原則とするアパート経営では非常に重要なポイントです。

名古屋市においても人口減少は避けられません。現在のところ、緩やかに減少していくと予測されています。

また、そのスピードは区により異なる可能性があります。

各区の将来人口推計は次のとおりです。

エリア

令和5年の人口

令和22年時点の人口(令和5年を基準点とする予想)

千種区

80,087人

76,853人

東区

86,711人

104,852人

北区

161,250人

150,355人

西区

151,108人

151,017人

中村区

140,093人

142,935人

中区

99,348人

115,056人

昭和区

108,361人

114,415人

瑞穂区

107,690人

107,747人

熱田区

67,084人

66,869人

中川区

217,934人

202,875人

港区

140,922人

120,632人

南区

131,459人

115,923人

守山区

176,854人

176,372人

緑区

247,701人

247,583人

名東区

162,307人

152,552人

天白区

162,760人

154,058人

港区や南区は、人口減少のスピードが早いと予想されています。

一方で、東区や中区は増加が予想されています。

各区の将来人口推計を考慮しつつ、投資対象エリアを慎重に選定することが大切です。

 

参照元:名古屋市「名古屋市将来人口推計」

https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/67-11-0-0-0-0-0-0-0-0.html

 

5.2 エリアのニーズを事前に調査する

アパート経営を始める前に、エリアごとのニーズを把握しておくことも大切です。

物件の特徴とエリアのニーズが一致しない場合、名古屋のようなアパート経営に適した地域であっても、入居者の確保が難しくなる可能性があります。

参考に、主なターゲット層が好む物件の特徴を紹介します。

ターゲット層

物件の特徴

単身者

学生は家賃、社会人は家賃よりも部屋のグレードや利便性を重視する傾向がある。間取りは1K、1R、1DKなどが基本。

ファミリー向け

新婚夫婦は築浅や収納が多い物件、子育て世帯は学校や生活施設へのアクセスを重視する傾向がある。間取りは1LDK、2LDK、3LDKが基本。

たとえば、駅チカの土地であれば、社会人の利用を想定した単身者向けのアパートが向いているといえるでしょう。

エリアごとの賃貸ニーズは、投資用マンションを扱う不動産会社に相談することで把握できます。

5.3 条例を確かめる

前述のとおり、名古屋市は共同住宅型集合建築物の建築に対して、駐車場の付置義務などの規制を設けています。

名古屋市内で投資用アパートを建築する場合は、あらかじめ内容を確認しておくことが大切です。

ただし、規制の内容は自動車駐車場、自転車駐輪場、住戸の床面積など多岐にわたります。

専門的な知識がない場合には、手間や負担が大きくなる恐れがあります。

トラブルを避けつつアパート経営を始めたい方は、完成した物件を購入するとよいかもしれません。

この方法であれば、建築前に各種手続きを行わなくてよいうえ、手厚いサポートも受けられるため、専門知識がなくても安心してアパート経営を始められます。

 

参照元:名古屋市「共同住宅型集合建築物について」

https://www.city.nagoya.jp/jutakutoshi/page/0000101943.html

5.4 比較検討する

複数の選択肢を比較・検討することも重要です。

この作業により、それぞれのメリットやデメリットが明らかになります。

比較・検討したい主な項目は次のとおりです。

【比較・検討したい項目】

  • 土地
  • 建物(プラン)
  • 不動産会社

土地の立地や広さで、適している建物(プラン)は異なります。

建物プランの提案は、原則として不動産会社が行います。

したがって、複数の不動産会社から提案を受けて、納得できる物件を選ぶ必要があります。

6. 名古屋のアパート経営におすすめのエリア

名古屋には魅力的なエリアがたくさんあります。
その中でもアパート経営に向いているのはどこのエリアなのでしょうか。おすすめのエリアについて紹介します。

6.1 おすすめのエリア1 千種区

千種区(ちくさく)は、八事や覚王山など人気の高級住宅地エリアもあり、全体的に生活しやすいエリアです。
中心部ともいえる名古屋駅や栄駅のアクセスでも優れています。

栄駅はオフィス街でもあるのですが、自転車を使っても13~15分程度で到着します。
栄駅付近で働いている方にとっても魅力的なエリアだといえるでしょう。
中央部のエリアには学校もたくさんあるので、単身者だけではなくファミリー向けのアパート経営にも向いています。

6.2 おすすめのエリア2 中村公園

中村公園駅エリアは、名古屋駅までのアクセスが良好で、乗り換えなしの7分程度です。
アクセス面では非常に優れています。ですが、地価はそれほど高くありません。
地価が安い分、家賃を抑えられると若い方から検討されやすいエリアといえるでしょう。 

このエリアに住む方は、職場が名古屋駅エリアや栄駅エリアにあることが多いです。
各エリアへのアクセスが良好であるため、さまざまなタイプの入居者を見つけられそうです。

6.3 おすすめのエリア3 緑区

緑区は、緑豊かな公園が多くある特徴を持ちます。
保育所や公園、小学校の数も多いため、ファミリー向けをターゲットにしたいと考えた場合におすすめのエリアです。 

駅前には大型のショッピングセンターもあるので、暮らしやすさも感じられるでしょう。
地下鉄や名鉄を使えば1本で名古屋中心部までアクセスできるのも魅力です。

6.4 おすすめのエリア4 堀田

堀田エリアは、駅前にカインズ名古屋堀田店やパレマルシェ堀田店などがあり、買い物しやすい環境が整っています。
食料品や日用品の買い物には困らないでしょう。 

飲食店などもありますがそれほど多いわけではないので、落ち着いた地域で暮らしたいと考えている方から選ばれています。
名古屋市営地下鉄「堀田駅」近くには小学校もあり、子育て世帯からも選ばれているエリアです。

7. 名古屋はアパート経営に向いている地域で魅力が多い

いかがでしたでしょうか?名古屋でアパート経営を行うにあたり、おさえておきたい特徴やデメリットなどについて紹介しました。
地域の特徴を理解し、強みを活かしながらアパート経営に取り組んでいくことが大切です。 

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この記事の監修

マリモ賃貸住宅事業本部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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