

「若いうちに資産形成を始めたい」「ローン返済を少しでも早く完了させたい」という理由から、不動産投資を20代でスタートさせる方が増えています。
しかし、若年層ならではの資金面や経験不足など、慎重に考えなければならない要素も多いのが現実です。
本記事では、「20代で不動産投資を始めるメリット・デメリット」をテーマに、長所と短所を整理するとともに、成功するためのポイントを解説します。
まだ社会人経験が浅い20代から不動産投資を始めることは可能なのか。
どんな準備や知識が必要なのか。
これらの疑問をしっかり理解し、将来にわたる堅実な資産形成につなげるためのヒントを、ぜひ最後までご覧ください。
20代で不動産投資を検討していると、「この年齢で始める人は本当にいるのだろうか」と気になるものです。
国土交通省が家主414名を対象に行った調査によると、賃貸住宅を所有している人の年齢構成は次のようになっています。
20代は合わせて7.2%で、たしかに少数派です。
なお、所有者の3分の1以上を60歳以上が占めており、相続や退職金をきっかけに始める人が多いことがうかがえます。
一方で、30〜34歳が10.9%と20代後半の倍近くに増えている点は見逃せません。
20代で情報を集めて準備した人が、30代前半で実際に動いていると考えられます。
ただし、少数派であることは不利ではありません。
20代の強みは、返済期間を長く取れることと、失敗しても立て直す時間があることです。
焦って物件を買うよりも、この時期に判断力を養っておくほうが後の差になります。
20代の女性にとっては、ライフイベントの前に動けることが大きな利点です。
特に、住宅ローンや不動産投資ローンの審査では、勤続年数と収入の安定性が見られます。
産休・育休に入ると収入が一時的に減るため、審査に影響することがあります。
復職後も、時短勤務であれば同様です。
そのため、働き方が変わる前に融資を受けておけば、その後にライフステージが変化しても、家賃収入という収入源を持ち続けられます。
また、団体信用生命保険に加入できる点も見逃せません。
不動産投資ローンでは、団体信用生命保険への加入を融資条件としている商品があり、申込時には健康状態の告知を求められる場合があります。
健康状態は年齢とともに変化する可能性があるため、将来的な借り入れを検討している場合は、団信の加入条件も早めに確認しておくことが大切です。
一方で、20代のうちは自己資金が少なく、勤続年数も短いため、審査で不利になる場面もあります。
転職を考えているなら、その前に動くか、転職後に勤続年数を積んでから動くかを決めておきましょう。 長期的で柔軟な資産形成プランが立てられる
20代から不動産投資を始める最大の魅力は、「時間を味方につけられること」です。
投資用不動産は、一般的に長期保有によって家賃収入や物件価格の上昇など、利益を得やすい特徴があります。
20代でスタートすれば、30代、40代、50代といった長いスパンでプランを組み立てられるため、多少の相場変動があっても柔軟に対応できるでしょう。
さらに、不動産投資を長期的に継続することで、キャッシュフロー(家賃収入-ローン返済・諸経費)が安定して積み上がる可能性があります。
投資利回りが多少低くても、「若いうちから始めておく」ことで時間を味方にできるのが、20代投資家の強みといえます。
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関連記事:アパート経営は30年後も収益を保てる?リスクと成功するための戦略を徹底解説!
不動産投資を行う際、多くの人は金融機関から融資を受けて物件を購入します。
20代の投資家であれば、例えば35年や40年といった長期ローンを組むことが比較的容易です。
返済期間が長くなれば、月々の返済額を抑えられ、家賃収入との差額(キャッシュフロー)を大きく確保しやすくなります。
また、若いほどライフイベント(結婚、出産、マイホーム購入など)との兼ね合いが発生する可能性が高いですが、長期ローンを組むことで「返済負担が急増しにくい」というメリットがあります。
その結果、本業の収入や家庭の状況と両立させながら投資を継続しやすいと言えるでしょう。
金融機関が若年層向けに優遇金利や特別な融資制度を提供しているケースもあり、20代の投資家がそれらの支援を活用できる場合があります。
たとえば、一部の銀行や信用金庫では、若者向けに低金利の住宅ローンや投資ローンを取り扱っており、社会的に若年層の資産形成を後押しする動きが出てきています。
ただし、優遇制度を活用するには、職業・年収・勤務年数といった審査要件を満たす必要があるため、事前に自分が利用できる融資プランをしっかり調べておくことが大切です。
また、低金利ローンや補助制度を受けられるからといって、むやみに多額の借入をするのはリスクを伴います。
融資条件だけでなく、収支計画や将来的な金利上昇の可能性なども考慮して検討しましょう。
20代からの不動産投資には大きなメリットがある一方で、やはり年齢が若いからこそ発生するリスクやデメリットも存在します。
ここでは、代表的なデメリットを3つ解説します。
若いうちから不動産投資を始めると、自己資金(自己資本)が十分に蓄積されていないケースが多いです。
そのため、物件の購入資金をほとんどローンに頼らざるを得ず、結果として借入金額が大きくなる可能性が高まります。
借入が増えると、月々の返済額も大きくなり、キャッシュフローが圧迫されやすい点に注意が必要です。
物件の空室リスクや家賃の下落などが重なると、一時的に返済が苦しくなることも考えられます。
若いからこそ時間を味方にできる一方で、長期ローンによる負担増という側面もあるのです。
不動産投資において、金融機関の融資審査を通過しなければ物件を購入するのは難しいですが、年齢が若いと以下のような理由で審査が厳しくなる場合があります。
これらの要因によって、希望する融資額を満額受けられない、または融資自体を断られるケースも考えられます。
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関連記事:アパートローンの審査基準・期間と融資を受けやすくするための対策
社会人経験が少なく、貯蓄が十分にない20代では、まとまった頭金を用意するのが難しいことが多いです。
頭金が少なければ、物件購入に際してフルローンやオーバーローン(物件価格以上の融資)を組むことになり、借入額が増えるだけでなく、金利や手数料も高くなる可能性があります。
また、頭金がないまま投資を始めると、物件の種類や立地に制限がかかりやすいというデメリットも。
比較的安価なワンルーム物件や地方の築古物件しか選べず、利回りやリスク許容度を加味した投資戦略が取りにくくなるかもしれません。
20代の失敗には共通したパターンがあります。
いずれも「年齢が若い」こと自体が原因ではなく、経験の少なさを補う準備が足りないことから起きています。
ここでは、20代が不動産投資で失敗しやすいケースを紹介します。
国土交通省の調査では、金融機関から借り入れた家主のうち、物件取得費用の8割以上を借り入れでまかなった人が5割を占めていました。
さらに、取得費用の全額を借り入れた人は15.5%です。
借入額が大きくなると、金利や返済期間などの条件によっては毎月の返済負担も重くなります。
そのため、家賃収入に対して返済額の割合が高すぎると、空室や修繕が発生した際に資金繰りが厳しくなるおそれがあります。
なお、20代は資産形成を始めてからの期間が比較的短く、十分な自己資金を用意できていない場合もあるでしょう。
不動産投資を始める際は、借入可能額だけで判断せず、空室や修繕にも対応できる余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
同じ国土交通省の調査では、賃貸経営に関する知識の習得方法について「特になし」と答えた人が40.6%にのぼりました。
知識がないまま提案を受けると、収支計画の前提が妥当かどうかを検証できません。
しかし、想定家賃が周辺相場より高く設定されていないか、空室率や修繕費が織り込まれているかは、自分で確かめる必要があります。
提案書の数字をそのまま信じるのではなく、同じエリアの募集家賃を実際に調べてみることから始めましょう。
新築物件は入居者を集めやすい傾向がある一方、販売価格には新築ならではの価格が上乗せされている場合があります。
また、購入後に売却する際は中古物件として扱われるため、短期間で売却すると、ローン残債が売却価格を上回る可能性もあります。
「いつ、いくらで売るのか」を購入前に想定しておかないと、収支が悪化しても身動きが取れません。
長期保有するのか、一定期間で売却して次に進むのかを、買う前に決めておきましょう。
返済比率とは、満室時の年間家賃収入に対して年間のローン返済額が占める割合のことです。
計算式は「年間返済額 ÷ 満室時の年間家賃収入 × 100」で求めます。
例えば、年間家賃収入600万円に対して年間返済額が300万円なら、返済比率は50%です。
また、一般的には50%以下が目安とされています。
家賃収入からは返済のほかに、管理費・修繕費・固定資産税・保険料といった経費が差し引かれ、さらに空室分の減収も見込む必要があるためです。
さらに、返済比率が60%を超えると、空室が数戸出た時点で手元に残る金額がほぼゼロになります。
自己資金を増やす、返済期間を長くする、価格を抑えた物件に切り替えるなどの方法で、購入前に調整しておきましょう。
20代で不動産投資を始める上で、成功を目指すために押さえておきたいポイントをまとめます。
若さゆえの強みを活かすとともに、デメリットを補う形で戦略を立てることが肝心です。
まずは不動産投資に関する基礎知識を徹底的に学ぶことが重要です。
具体的には、以下のような領域を重点的に勉強しておくとよいでしょう。
自力で書籍やウェブサイトを読むだけでなく、セミナーに参加したり、実際に不動産投資をしている先輩投資家の体験談を聞いたりすることで、実践的な知識を身につけられます。
アパート経営の基本的な知識についてはこちら
関連記事:アパート経営とは? 基本的な知識や概要について徹底解説!
「頭金をほとんど出さずにフルローンで投資物件を購入する」選択肢は、20代には魅力的に映るかもしれません。
ただし、先述のとおり借入金額が大きくなると、毎月の返済負担や金利上昇リスクが高まり、キャッシュフローが不安定になる可能性があります。
もしフルローンを検討するなら、物件の収支分析を綿密に行い、家賃収入が安定していないときでも返済に支障が出ないかをシミュレーションすることが必須です。
また、融資審査が厳しくなる分、物件選びにおいても条件が制限されることを理解しておきましょう。
金融機関の審査基準は公表されていませんが、年収によって借りられる金額の目安は変わります。
ここでは、20代の年収別・現実的な投資プランを紹介します。
年収400万円台の場合は、いきなり一棟アパートを購入するのは難しいのが実情です。
まずは、中古の区分マンション1戸から始め、返済と入居付けを一度経験しておくことがおすすめです。
物件価格を抑えられる分、自己資金の割合を高めやすく、返済比率も低く保てます。
さらに、1戸の運用実績は次の融資を受けるときの材料にもなります。
年収600万円台の場合は、区分マンションを複数戸持つか、価格を抑えた中古一棟に進むかの分かれ道になります。
一棟に進む場合は、戸数が多いほど空室1戸あたりの影響が小さくなる点が利点です。
一方で、修繕や共用部の管理といった負担が増えるため、管理会社の選定が重要になります。
この段階では、物件を増やす前に手元資金を厚くしておくほうが安全です。
次の融資を受けるときにも、預貯金の残高は評価の対象になります。
年収1,000万円以上の場合は、融資の選択肢が広がり、一棟物件を視野に入れやすくなります。
ただし、借りられる金額が増えることは、返済比率が高くなりやすいことと表裏一体です。
借入可能額いっぱいまで借りるのではなく、金利が上昇しても返済を続けられる水準に抑えておきましょう。
年収が高い人ほど提案を受ける機会も増えるため、複数の物件を比較して判断する姿勢が欠かせません。
20代で不動産投資を始めることには、長期的な資産形成のチャンスやローン返済期間を長く設定できるといったメリットがある一方、自己資金や信用力が不足しがちで融資を受けにくい、頭金を用意しづらいといったデメリットもつきまといます。
しかし、若いからこそ時間を活かしてリスク分散し、学習や経験を積みながら成長していけるのも事実です。
重要なのは、不動産の基礎知識や融資の仕組みをしっかり理解し、無理のない投資計画を立てること。
フルローンを活用する場合でも、返済シミュレーションを綿密に行い、慎重に判断することが欠かせません。
また、信頼できる不動産会社や金融機関、そして投資仲間とのネットワークを築くことで、実践的なアドバイスを得られたり、トラブル回避につながったりするでしょう。
若さゆえの行動力と柔軟性をうまく活かしながら、一歩ずつ堅実に不動産投資を進めていってください。
株式会社マリモは、豊富な経験と知識から、アパート経営についてのご相談に応じています。
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この記事の監修
マリモ賃貸住宅事業本部
不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。
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