おしゃれで目を引くデザイナーズマンション。
高いデザイン性や最新の設備完備、よくあるマンションとは一線を画したようなデザイナーズマンションは、高い家賃で貸せることから、投資に有効と思う方も多いようです。

たしかに一定の評価を受けるデザイナーズマンションですが、実はデメリットもいくつかあります。投資用として購入するのであれば、メリットだけではなく、デメリットもおさえておきたいものです。

本記事ではデザイナーズマンションとは?をはじめ、デザイナーズマンションを投資として活用するメリット・デメリットを併せて紹介していきます。
これから購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1. デザイナーズマンションとは

デザイナーズマンションとは、この設備があるから、このデザイン性だからといった明確な定義は存在しません。
基本的には、建築家・建築デザイナーが設計したマンションのことで、個性的かつ斬新で、機能性の高いデザインのマンションのことを指します。

最近できた言葉に思えますが、実はデザイナーズマンションの走りは1950年代とされており、バブル期を機に現在でも若い世代や富裕層などへの需要が高まっているのが特徴です。

1.1 デザイナーズマンションの特徴

デザイナーズマンションの特徴は、独創的なデザインや一般的なマンションとは一線を画す作りなどが挙げられます。例えばガラス張りのお風呂やコンクリートむき出しの壁、個性的な間取りや色使いなどがその一つです。

デザイナーズマンションというだけあって、デザインした建築家のこだわりがたっぷり詰め込まれています。こだわりのデザインが施されているため、どちらかといえば居住性には特化しておらず、非日常体験ができるという特徴もあります。

一口にデザイナーズマンションと言っても、1件1件同じものはなく、それぞれ異なる魅力があるといえるでしょう。

1.2 デザイナーズマンションの投資メリット

ここからはデザイナーズマンションに投資するメリットについてご紹介します。

高い家賃を設定できる

デザイナーズマンションに投資するメリットとしては「高い家賃を設定できる」点です。

普通のマンションに比べると居住性こそ劣るものの、目新しいデザインや独創的な間取りなど、あまり見かけないマンションは付加価値が高い傾向にあります。
デザイン性の高いマンションは、十分家賃設定を上げられる要素になるといえるのです。

以下の記事では、アパート経営を始めるにあたっての適正家賃の設定方法について詳しく解説しています。気になる方はぜひあわせてご覧ください。

アパート経営をする際の家賃設定はどれくらい?算出方法などを詳しくご紹介

長期の入居が見込める

一般的にマンションを契約するときは、職場から近いところ・駅近なところ・家賃が安いところなど、ある程度条件を見据えた上で決めることがほとんどです。
だからこそ自分の環境が変わると、自然と住む場所を変えることも珍しくありません。

それに比べるとデザイナーズマンションは一度入居すると、長期の入居が見込めます。なぜならデザイナーズマンションを選ぶ方は、立地などの条件よりもマンションのデザイン性重視で契約を決める傾向があるからです。

デザインが好みのマンションに契約すれば、自身の住む環境が変わっても、ある程度住み続けてもらうことができます。

オンリーワンの魅力がある

前述したように、デザイナーズマンションにはオンリーワンの魅力があります。
一般的なマンションではあまり見かけないようなデザインや設備は、デザイナーズマンションならではのポイントです。

1.3 デザイナーズマンションの投資デメリット

ここからはデザイナーズマンションに投資するデメリットについて解説します。 

物件の価格が高い

デザイナーズマンションを投資用として購入するときの最大のデメリットは「物件の価格が高い」ことです。
前述したように、デザイナーズマンションはデザイナーが建築・設計に携わっているため、かかる費用が多く一般的なマンションより高くなりやすいです。

費用度外視で、間取りを変えたり、設備を取り入れたりしているので、それぞれに設計費がかかることも珍しくありません。物件の価格としては、一般的なマンションの1.2~2倍程度になることも。

つまり投資用として購入しても、コスパや利回りが悪くなりやすいので、あらかじめ知っておくことが大切です。

居住性が必ずしも良いわけではない

デザイナーズマンションを投資用として購入するデメリットは「居住性が必ずしも良いわけではない」ということです。
これまでご紹介してきた通り、デザイン性やおしゃれな雰囲気を重視したデザイナーズマンションは、住み心地や使いやすさを重視しているとはいえません。

例えば生活の導線を度外視していたり、普段の動きの回遊性を優先していなかったりする間取りが多い傾向にあります。
独身であればまだよいものの、家族向けで投資マンションをお探しの方にはあまり向いていないといえるでしょう。

コンクリート打ちっぱなしで劣化に伴うリスクが生じる

投資用のマンションでデザイナーズマンションを選ぶデメリットとして挙げられるのが「コンクリート打ちっぱなしで劣化に伴うリスクが生じる」点です。
一般的なマンションにはあまり見かけない、コンクリート打ちっぱなしのデザインは「おしゃれ!」と魅力を感じる方も多いでしょう。

しかし長く住んでいると部屋の水分がコンクリートに染み込み、それが膨張して亀裂が入ることがあります。
もし築年数が進んでいるデザイナーズマンションであれば、購入時、すでに亀裂が入っている可能性があるためあらかじめチェックしておくべきです。

需要があるエリアが限られる

デザイナーズマンションは、デザインの高さや設備の良さなど、メリットが多いもののその需要があるのは決して多くはありません。いわばおしゃれな街に住むエリアの人たちが、デザイナーズマンションを選びがちです。

家賃も高めに設定されやすいため、一定の収入がある方やデザインへの感度が高い方がターゲットとなるでしょう。
一般的なマンションより個性はありますが、需要のあるエリアを見極めて対策することが大切です。

アパート経営に適した土地についてかこちらの記事で解説しています。あわせてご覧ください。

アパート経営に適した土地の条件と適した土地を探す方法

2. デザイナーズマンションへの投資ポイント

デザイナーズマンションへの投資ポイントについて解説します。

2.1 立地やターゲットを絞る

デザイナーズマンションは、決して万人受けする物件とはいえないので、立地やターゲット層をしっかりと絞る必要があります。

デメリット部分でご紹介したように、需要は絞られるため、購入予定のエリアが安定的な収入がある方が住みそうなエリアか、富裕層の方が多く住むようなエリアかどうかを確認しましょう。

2.2 デザインだけでなく機能性にも配慮する

デザイナーズマンションは、デザインはよいものの居住性や機能性には劣るというイメージがあります。そのデメリットを補うためにも、機能性に配慮した物件を選びましょう。

物件を選ぶときには収納がある程度あるのか、導線は生活しにくくないか、家事がしにくくないかなど、生活する上での利便性をチェックしておきたいものです。

2.3 物件の差別化ポイントを明確化する

デザイナーズマンションは、デザイン部分に費用がかかりがち。だからこそあまりにもこだわりすぎると、建築にかかるコストが割高になってしまいます。

そのため、物件の差別化ポイントを明確にし、費用対効果とのバランスを見積もっておくことが欠かせません。

2.4 修繕コストを見極める

独創的なデザインや特長的な設備は、もし壊れて修理となると、修繕コストが高額になりがちです。
あらかじめ修理が必要となった場合の、コストを試算しておくことが大切。対策できるのであれば、壁紙や床材などを工夫することも手です。

3. 安定運用なら投資データ豊富なマンションを

これまでマンションの投資経験がない方が、いきなりデザイナーズマンションを選ぶのは正直リスクがあります。経験のない方であれば、よくある一般的な量産マンションを選んだ方が無難です。
なぜなら量産型のマンションは、投資データが豊富に蓄積されているからです。

修繕コストがイレギュラーにかかるといったことがなかったり、需要の波がなく一定の運用が見込めたりします。デザイナーズマンションはオーダーメイド的な要素があるわけですから、それに合う費用対効果や運用方法を見極める必要があります。

不動産投資は誰しも安定的な運用をしたいでしょうから、投資データの豊富なマンションを選びましょう。

以下の記事では、不動産投資の成功率と成功させるためのコツを解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

不動産投資の成功率と成功させるためのコツ

4. 投資用のデザイナーズマンションは経験値が必要

今回は投資用のデザイナーズマンションについてご紹介してきました。デザイナーズマンションは独創的で目新しい設備や作りが特徴で、メリットが多くあります。

その一方で修繕する場合のコストが高くなる可能性があったり、投資データが豊富ではないのでマンション投資初心者さんには運用しにくいといったデメリットもあります。
メリット・デメリット両方あるのはデザイナーズマンションだけではないですが、特長をよく知った上で投資用とするか否か検討してみてくださいね。

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この記事の監修

マリモ賃貸住宅事業部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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