「アパート経営をしてみたい!」と思っても、そもそもアパート経営とは何なのか。
どのようなメリットやデメリット、リスクや仕組みがあるのか、基本的なことを知りたい人もいると思います。
ここでは、アパート経営に関する基礎知識を紹介します。
1. アパート経営とは
アパート経営とは、自身の所有するアパートを第三者に賃貸し、賃料収入を得るビジネスのこと。
アパートを丸ごと1棟購入することで、初期投資が大きくなる分、空室リスクを低減できます。
安定収入が期待できたり、資産を残せたりするなどのメリットがあることから、多くの人に注目されています。
2. アパート経営をするなら木造・鉄骨造・RC造どれがいいのか
一言でアパートと言っても、木造・鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)といった構造の違いがあります。
木造はRC造に比べ建築費が安く、比較的間取りの自由度も高いですが、耐火性能や耐震性能、防音性能はやや劣ります。
対して、RC造は、耐火性や耐震性、遮音性、断熱性などに優れており、デザイン性の高い物件も多いです。しかしその分、建築コストがかかるのが難点です。
鉄骨造は、上記の面で木造とRC造の中間といえる工法で、比較的低コストで建築でき、耐火性、耐震性、遮音性にも大きな問題はありません。しかし特に軽量鉄骨造りと呼ばれる工法は間取りの自由度が低く、重量鉄骨造りにするとコストが高くなるといった側面があります。
3つの中で、特に収益性に優れているのが木造です。
木造は建築費用や税金などが安く、その分、利回りが高くなる傾向にあります。
3. アパート経営のメリット・デメリット
アパート経営のメリットとデメリットをお伝えします。
3.1 アパート経営のメリット
①不労所得が得られる
アパート経営を始めようと思う多くの人が魅力に思うのが、不労所得。毎月固定の家賃を受け取れるアパート経営は、「本業の給料だけではやっていけない」「退職後何かしらの収入が欲しい」といった多くの人たちの頭をよぎるはずです。
給与以外にも毎月お金を得ることができたら、今まで行けなかった旅行に行けるようになったり、美味しいものを食べたりすることができるかもしれません。
子どもの教育費用や老後の資産に余裕が出ることもあるでしょう。
しかも管理会社に任せれば、そこまで手間もかからないため、ある程度軌道に乗ってしまえば、少ない労力で安定した収入を得られるようになります。
②節税対策になる
所得税や住民税などの節税にもアパート経営は効果的です。
また、借り入れにより相続税対策の効果も期待できます。
なぜかというと、不動産投資においては損益通算が可能で、ほかの所得部分からアパート経営における赤字を経費として差し引くことができるからです。
赤字がなくても、建物の購入額を減価償却費として毎年計上できるため、節税につながります。
③老後の資産となる
会社を定年後、年金だけでは心もとないという人にもアパート経営はおすすめです。
アパート経営は給与のように毎月固定の収入を得やすく、いざ何かあったら売却するという手段もあります。
以下の記事では、相続税や固定資産税の節税対策になることや、生命保険の代わりになることなど、アパート経営のメリットをさらに詳しく解説しておりますのでご覧ください。
3.2 アパート経営のデメリット
①初期費用がかかる
アパートを経営するには、まずアパートを購入・建築しなくてはなりません。
資金すべてをローンでまかなうことも場合によっては可能ですが、物件価格の1~2割程度は自己資金を用意しておくことをおすすめします。
アパートを購入・建築する以外にも、さまざまな諸経費がかかったり、ローンを活用した場合、返済資金も必要だったりするので、ある程度は準備しておいたほうが良いでしょう。
②管理会社によって大きく左右される
アパート経営を行おうと思ったとき、管理会社選びは重要です。同じアパートであっても、対応してくれる不動産管理会社によって、入居率や老朽化など大きく変わってきますので管理会社選びは重要です。
③入居者とのトラブルに発展することがある
入居者の中には家賃を滞納したり、騒音問題を起こしたりするなど、トラブルを発生させる人もいないとは限りません。
できる限り、入居者とのトラブルを減らすためにも、審査などはしっかり行うようにしましょう。
4. アパート経営の利回りとリスク対策
アパート経営の利回りとリスク対策について解説します。
4.1 アパート経営の利回りとは?
アパート経営における“利回り”とは、投資額に対してどれくらいのリターン・収益があるかを数値化したもの。基本的に利回りの高い物件のほうが収益性があるとみなされがちですが、しかし想定利回りと実際に運用してからの利回りが大きく異なることも多々あります。
想定利回りは満室を前提として考えられている利回りで、空室が発生したら、計画通りにはいかず、家賃の値下げなども検討しなくてはなりません。
また物件価格が安い場合も利回りは高くなりやすく、その分何かしらのリスクが内在している可能性も生じてきます。
4.2 アパート経営のリスク対策
アパート経営には以下のようなリスクがつきものです。
それぞれのリスクを理解したうえで、行いましょう。
①空室リスク
せっかく購入・建築したアパートでも、入居者がいなかったら、家賃収入は得られません。アパート経営で収益を上げるには、空室を埋めることが大切です。
なかなか入居者が見つからない場合は、家賃を見直したり、修繕やリフォームなどのメンテナンスを行ったりして、より入居したいと思ってもらえるアパートへと変えていきましょう。
②修繕リスク
建物の老朽化もアパート経営における重大なリスクの一つです。
アパートが古くなることで、大規模修繕が必要になったり、家賃の見直しを迫られたり、入居者が見つからなくなったりするリスクが発生します。
物件としての資産価値を維持するためにも、定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
③災害リスク
地震や火事などの影響を受ける可能性もあります。
災害リスクを減らすためにも、まずは地震などの自然災害に強い丈夫な建物をつくること。
そして、火災保険や地震保険に加入して、万が一の事態に備えましょう。
5. アパート経営におけるリスク
アパート経営には空室が出てしまったり、建物の老朽化が進んでしまったりするリスクがあります。
その他にもリスクがありますが、さまざまなリスクと合わせてその回避方法も知りたい方は以下の記事をご覧ください。
6. アパート経営の一括借り上げとは
一括借り上げとは、オーナーが持つアパートを不動産管理会社が一括で借り上げ、入居者募集から管理、家賃回収などすべて行うことです。
アパートは管理会社が管理するため、契約も管理会社と入居者が直接します。
管理からトラブル対応まで一任でき、また一定額の賃料収入が保証されるメリットがありますが、一般的な管理に比べ自身の収益はやや少なくなります。
株式会社マリモでは、長期に渡り安定したアパート経営をご提案しております。弊社の木造アパート経営の情報はこちらからご確認ください。
この記事の監修
マリモ賃貸住宅事業部
不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。
この記事を読んだ人におすすめ
-
25.01.27
アパート経営者はプロパンガス会社を見直すべき? 業者の選び方を紹介
住宅に供給されるガスの種類には、都市ガスとプロパンガスの2種類があります。都市ガスとは東京ガスなどの一部の大会社によって供給されるものです。 それに対して、プロパンガスを供給するガス会社は数え切れないほど存在するのをご存じでしょうか。 プロパンガスというと都市ガスよりもガス料金が高いイメージがあり、あえて選ぶ人は少ないですが、実はアパート経営ではプロパンガスを選ぶメリットがあります。 そこで、不動産投資としてアパート経営を考えている方のために、実際に経営を始める前に押さえておきたいガス会社の見直しメリットやガス会社の選び方などをお伝えしていきます。
-
23.03.19
アパート経営の賃貸管理費とは? 自主管理・委託管理のメリットとデメリット
アパートを経営する立場になったら、無視することはできない賃貸管理費。 賃貸管理費とはいったい何のためのお金なのでしょうか? またアパートを経営するうえで、賃貸管理は委託すべきか、自分ですべきか悩んでいる人もいると思います。 ここでは、自主管理・委託管理それぞれのメリット・デメリットを紹介。 管理費の相場や内訳、決め方のコツについてもお伝えします。 オーナーとして、管理費の知識を深めたい方はぜひ参考にしてください。
-
24.06.26
アパート経営をする際の家賃設定はどれくらい? 算出方法などを詳しくご紹介
アパート経営者の悩みの一つに家賃の設定があるでしょう。 家賃設定は不労所得収入の要になります。 アパート経営者からすれば、より高い家賃で入居してもらえれば、ありがたいです。 しかし、適当な理由で高い家賃にしてしまえば空室が増えてしまうのは誰でも想像できるでしょう。 入居者の方は沢山の物件の中から自分の予算、立地条件や間取り、設備などを他物件と比較して、どこのアパートに入居するか決定します。 ここでは適正家賃の設定方法などをご紹介していきたいと思います。 家賃設定に悩んでいるアパート経営者の方必見です。