お部屋選びをする際に、間取りはとても重要な要素となります。
例えばファミリータイプの場合では、部屋数やリビングの大きさがポイントになるでしょう。
間取りは、実はアパート経営でも重要な要素となり、自分で運営するアパートの間取りはしっかりと確認しなければなりません。
では、アパート経営で間取りはどのような意味をなすのでしょうか。
この記事では、アパート経営と間取りの関係性について解説します。

1. アパート経営における間取りの種類と表記の意味

アパート経営する際に、運営会社などの募集条件を確認して最適な物件を選定して運営します。
物件選びにおいて、さまざまな間取りの種類があり、表記も異なります。
間取り図で主に使われるアルファベットは、以下の5つです。

◆間取り図で主に使われるアルファベット◆
・R(Roon)
・K(Kitchen)
・D(Dinning)
・L(Living)
・S(Service Roon)

各アルファベットの詳細な意味と、間取りの組み合わせは次の通りです。

1.1 R(Roon)

R(Roon)は、部屋とキッチンの仕切りがなく一体化している間取りです。
1Rとはワンルームを指し、部屋とキッチンが同部屋にある間取りとなります。

1.2 K(Kitchen)

K(Kitchen)とは、キッチンを指し台所を意味します。
一軒家の場合、キッチンと部屋が別々となっている場合が大半ですが、アパートの場合は1Rが多く存在します。
そこで、台所が明確に分かれている間取りとしてKの記号が用いられ、1Kとは1部屋と台所がある間取りです。

1.3 D(Dinning)

D(Dinning)とは、ダイニングルームを指し、食事をとる部屋です。
食道室と呼ぶケースもあり、Dがあるとゆったりと食事を取れるスペースが確保されています。
DKと記載されている場合、ダイニングルームとキッチンの両方が別の部屋として存在している間取りです。

1.4 L(Living)

L(Living)とは、家族がくつろげる居間であるリビングです。
食事する場所以外で、テレビを見てくつろぐ場所がリビングであり、大家族の場合は広いリビングが必要です。
1LDKと記載されている場合、一般的に1部屋とキッチン、ダイニングルームと居間が一緒になった広いスペースとなります。

1.5 S(Service Roon)

S(Service Roon)とは、サービスルームを意味します。
普段の物件選びではなかなか見かけない記号であり、建築基準法で定められた部屋として認められる基準を満たしていない部屋です。
正確には居室に該当しませんが、納戸や書斎など趣味を楽しむスペースなどが該当します。

1.6 その他の記号

上記以外でも、間取りを表す表記が存在します。
主な記号とその意味は、以下の通りです。

◆間取りを表す表記◆
・DEN:書斎
・R:冷蔵庫置き場
・W :洗濯機置き場
・CL:クローゼット
・WIC:ウォークインクローゼット
・SIC:シューズインクローゼット
・MB:メーターボックス
・PS:パイプスペース

間取り図には記載されるのが一般的ですが、物件の概略を表記する際には省略されるケースが大半です。
ただし、どのような施設が存在するのかを確認できるため、覚えておきましょう。

1.7 記号の表記方法

間取りの表記では、基本的に数字とアルファベットで構成される場合が大半です。
アルファベットの前に表記されている数字は、LDKを含まない部屋数を意味します。
例えば、「3LDK」と表記されている場合は、3部屋とリビングダイニングキッチンがある間取りの事です。
サービスルームがある場合は「2LDK+S」と表現されます。

2. アパート経営で間取りが重要な理由

アパート経営においても、間取りを重視しなければなりません。
間取りを重視しなければならない理由は、主に以下2点が挙げられます。

◆間取りを重視する理由◆
・賃料単価に直結するため
・空室率の上昇と関連するため

各理由について、より具体的に説明します。

2.1 賃料単価に直結するため

間取りによって部屋の広さが決定しますが、1部屋あたりの広さは賃料単価に直結します。
もし賃料単価を上げたい場合は、小さな間取りで部屋数を多く取る必要があります。
間取りの選び方次第では、賃料単価が変動して経営における投資効率が左右するため慎重に選定しなければなりません。

2.2 空室率の上昇と関連するため

狭い間取りの場合、ものを置くと移動できるスペースがなくなるなど、入居者に不満を与えがちです。
逆に、広過ぎる間取りの場合は動線を確保しても移動距離が長く無駄な移動が増えてしまい、不満を感じてしまいます。
以上のように、使い勝手の悪い間取りの場合は空室率の上昇につながるリスクがあります
もし空室率が高くなると、得られる収益が単純に減少して損失につながる可能性があるのです。
空室率を下げるためには、入居者が使いやすい間取りを設定しなければなりません。
ニーズを把握せず自分の思いだけで間取りを決定すると、空室率が上がり損失が発生する原因になる可能性があるため注意してください。

3. アパート経営で間取りを考えるときのポイント

アパート経営で間取りを考える際に、とくに以下4つのポイントを押さえてください。

◆アパート経営で間取りを考える際の4つのポイント◆
・入居希望者のニーズを考える
・立地するエリアに最適な間取りとする
・収納スペースを多めに確保する
・動線を意識した間取りとする

各ポイントについて、詳しく解説します。

以下の記事では、その他のリスクによって起こりゆるトラブルと、その対策方法についてをアパート経営の基礎知識とあわせて詳しく解説しております。

アパート経営とは?基本的な知識や概要について徹底解説!

3.1 入居希望者のニーズを考える

先に紹介したとおり、入居したいと思っている方のニーズにマッチしない間取りとなっていると、その時点で候補から外されてしまいます。
例えば、高齢者がいる家庭の場合はバリアフリー対応が必須で、なるべく段差が少ない間取りである必要があります。
他にも、大人数の家族が住むアパートであれば間取りは広めで部屋を多く確保しなければなりません。
まずは、ターゲットとなる層を明確にして、ターゲットのニーズを把握して最適な間取りを設定してください。

3.2 立地するエリアに最適な間取りとする

アパートを立てる立地条件によって、最適な間取りは変化します。
例えば、郊外の住宅地の場合は、広い環境を活かして余裕のある間取りを選択してください。
また、駅の近くなど交通アクセスが良いエリアの場合は、通勤や通学に適した物件を探している単身者が多いため、コンパクトな間取りに設定するとよいでしょう。

3.3 収納スペースを多めに確保する

部屋の広さと同時に、収納スペースの有無は物件選びで重要なポイントです。
もし収納スペースが少なく住居スペースを使用しなければならない場合、不便に感じがちです。
よって、収納スペースは少し多めに確保した間取りを意識してください

3.4 動線を意識した間取りとする

不便に感じる住居の場合、動線が確保されていないケースが多いです。
そこで、洗濯や炊事、掃除などが効率的に行うために動線が確保できるかが重要となります。

4. 入居者のターゲットごとにおすすめの間取り

入居者のターゲットによって、最適な間取りは異なります。
ここでは、入居者のターゲットごとにおすすめしたい間取りを紹介します。

4.1 1人暮らし

1人暮らしの場合、広い部屋は不要で必要最小限の部屋があれば良い場合が多いです。
また、学生やサラリーマンの場合は部屋の充実度よりも駅より近くてアクセスの良い物件であるかを重視します。
そこで、1人暮らしをターゲットとしたい場合は駅から近いワンルームや1Kの間取りが最適です。
近隣にビジネス街があったり、大学があったりする場合には、より単身者からのニーズが高く入居者を見込めます。

4.2 2人暮らし

カップルが同棲している場合や結婚したばかりの夫婦で2人暮らしする場合は、1LDK以上の間取りが最適です。
同棲する場合であっても、寝室は別々ではなく同じ部屋で良い場合も多いため、1LDKでも十分な広さと言えます。
もし、寝室を別々にしたい場合や、ひとりの時間を大切にする場合は2LDK程度の間取りが最適です。

4.3 ファミリー向け

ファミリー向けをターゲットとしたアパートを経営する場合、3LDK以上の間取りが最適です。
世帯人数が多い場合、物件選びにおいて部屋数や広さが重視されがちです。
夫婦と子どもが一緒に生活する場合、3部屋以上あると快適に過ごせるため、3LDK以上がファミリー向けのスタンダードな間取りと言えます。

5. アパート経営で間取りを決めるときの注意点

アパート経営で間取りを決める際には、間取りだけを意識するのではなく設備にも気を配る必要があります。
とくに、以下のような設備があると入居者を募集する際にセールスポイントとなる場合が多いです。

◆セールスポイントとなる設備◆
・宅配ボックス
・セキュリティシステム
・無料Wi-Fi

とくに昨今では、テレワークの普及や新型コロナウイルスの影響もあり、Wi-Fiの有無は重要視されます。
また、荷物を受け取れる宅配ボックスのニーズも高く、設置すると良いでしょう。
他にも、理想的な間取りを確保しても実際に住むと手狭さがあると敬遠されがちです。
圧迫感を与えない間取りに工夫して、快適に過ごせる空間を意識してください。
他にも、お風呂とトイレは別々にしたいニーズが多くあるため、なるべく分ける間取りを採用してください。

6. 実は女性に向いているアパート経営の理由とは?

アパート経営を行う上で、女性だからできないということはありません。
女性だからこそ気づける点や消費者目線で物事を判断できる能力を活かせれば、良い物件を探して永続的に収入を得られるチャンスがあります。

 こちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

アパート経営は女性に向いている!おすすめの理由やメリットを紹介

7. 間取りを意識してアパート経営を成功させよう

アパート経営において、入居者を増やすためにはニーズに応じた間取りを確保してください。
最適な間取りを決定するためには、まずはどのような層をターゲットとするのかを決定し、そのターゲットのニーズを把握する必要があります。
また、物件のエリアに応じて間取りを決定する方法も有効的です。
間取りを強く意識して、アパート経営を成功させましょう。
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この記事の監修

マリモ賃貸住宅事業部

不動産事業を50年以上続けてきたマリモが、お客様目線でお役に立つ情報をお届けしています。不動産投資初心者の方に向けての基礎知識から、経験者やオーナー様向けのお役立ち情報まで、幅広い情報の発信を心がけています。部内の資格保有者(宅地建物取引士、一級建築士、一級施工管理技士、二級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者など)が記事を監修し、正しく新鮮な情報提供を心がけています。

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