アパート経営は、入居者を集めてからも常に入居者に住みやすい環境づくりに心を砕かなければなりません。
ゴミ置き場の問題もその一つです。ゴミ置き場の管理の仕方次第では、不法投棄や治安の悪化などの大きなデメリットも呼び込みかねません。
そこで、アパート経営を検討している方のために、ゴミ置き場の管理の重要性をお伝えします。
1. ゴミ置き場をしっかり管理するべき理由
ゴミ置き場の管理が重要な理由は、もちろん衛生面も第一に挙げられることですが、物件とその周辺の治安にもかかわってくることだからです。
ゴミが散乱しているようなアパートを思い浮かべてください。
しっかり管理する人がいないことがわかりますし、その住民のマナーも決して良くはないことが想像されます。
また、事実、燃えやすいゴミが放置されていることで放火のリスクまで高まるので、ゴミ置き場の管理が不十分なことは治安の悪化にも直結してしまうのです。
以上の理由から、入居希望者をも遠ざけることになってしまいます。
逆に、ゴミ置き場がしっかり管理されているアパートなら、他の部分もしっかりしており、住みやすい物件だろうと思ってもらえるようになります。
以下の記事で、アパート経営で必要な火災保険を詳しく解説しています。もしもの場合に備えて、ぜひ参考にしてください。
2. ゴミ置き場の種類
ゴミ置き場には大きく分けて3つの種類があります。
2.1 路上に直置きするタイプ
路上の決められたスポットをゴミ置き場とするケースです。
自分の物件だけでなく、地域住民が共同で使用します。
簡単な囲いがある場合もありますが、道路に直置きというケースも多く、カラスなどの仕業で不衛生になりやすい点がデメリットです。
2.2 専用の囲いを使うタイプ
同じく路上をゴミ置き場とするケースでも、ちゃんと専用の囲いでスペースを区切っているタイプもあります。
上述のタイプより衛生的には改善しますが、路上に置くことのデメリットは変わりません。
2.3 密閉できる専用ケージのタイプ
最も衛生的なタイプです。
ちゃんと蓋のある専用ケージの中にゴミを置くようになっているので、カラス対策としても有効です。
アパート専用のケージとすることで、住民以外のゴミ投棄にも対処できます。
一方、それなりに初期コストがかかるのがデメリットです。
3. 賃貸アパートにゴミ置き場を設置するときの注意点
ゴミ置き場をどうするかには特に決まりはないので、上記のなかからアパート経営者の希望するタイプを選べばよいでしょう。
ただし、設置場所に関しては注意が必要です。
どこに設置するにしても、まず清掃業者が回収しやすい場所であることを意識しましょう。
清掃業者は、短時間で多くの家庭を回る必要があるため、効率の良さを重視しています。
そのため、ゴミ回収車が入れない場所は問題外ですし、たとえ車が入れたとしても、建物の裏側の奥まった場所などでは回収してくれないでしょう。
美観を損ないたくない気持ちはわかりますが、ゴミ置き場は道路に面した広くてわかりやすい場所に設置するようにしましょう。
4. 入居者が退去するときのごみ問題の注意点
アパートの退去時には大量のゴミが発生しやすいものです。
だからといって、ゴミを放置されたまま退去されては大家さんの負担になってしまいますから、退去者には退去前に自身できちんと処分するよう注意を促しておきましょう。
それでも言うことを守ってくれない人がいる場合は、事前の説明において、立ち会い時にゴミが放置されていた場合、一般の処分費よりも高額な費用が発生するなどと伝えておくとよいでしょう。
また、粗大ゴミなど回収に時間がかかる種類のゴミもあるため、退去者には、退去の直前ではなく、早めに少しずつ処分した方がよいことを伝えるのがよいです。
5. ゴミ置き場を巡るトラブル
自分のアパート内では問題なくても、場合によってはゴミ置き場を巡って近隣トラブルが発生することがあります。
たとえば、アパートの入居者は住民共用のスペースにゴミを捨ててはいけないといったような、嫌がらせまがいのことも実際にあるようです。
近隣のことまではなかなかわからないですが、中古物件の場合は、購入前に前オーナーはどうやっていたのか確認しておくようにしましょう。
余計なトラブルをなるべく回避するための最善策です。
6. アパート経営・マンション経営におけるゴミ問題の対処法
入居者に対しては上述の方法で対処しますが、ぜひやっておきたいのが入居者以外によるゴミの不法投棄対策です。
まず、張り紙で住民専用のゴミ置き場であることをアナウンスしましょう。
それでも効果がない場合は、監視カメラ(もしくは、ダミーカメラ)の設置が有効です。
また以下の記事では、ゴミの不法投棄の他にも入居者トラブルなどの多くのリスクとその対処法について詳しく解説しております。アパート経営に必要な基礎知識も紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
7. アパート入居したくなる仕組みづくり
多くの人が入居したいと思うようなアパートにしたいなら、入居者の視点に立ってゴミ置き場を考えてみましょう。
たとえば、若い女性の場合、やはりゴミの散らばったところは避けたいと思うものです。
もちろん男性でも不潔なところより清潔感のあるアパートに住みたいものですから、実際に住む人の立場で、どこにどのようなゴミ置き場を設置するのがベストなのかを考えるようにしましょう。
8. ゴミ置き場のことまで考えたアパート経営が大切
ゴミ置き場の管理の仕方一つで、そのアパートの印象が大きく変わってきます。
清掃業者の回収しやすさを考えつつ、入居者と近隣住民の暮らしが快適になるようなゴミ置き場を考えましょう。
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この記事の監修
マリモ賃貸住宅事業部
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